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欠品中マグナカルタ

「僕はもうF1をスポーツだとは思わない」(06年イタリアGPでのアロンソの言葉)

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F1とはモーター「スポーツ」なのか?少なくとも今シーズンを振り返ってみると、そこに疑問を投げかけたくなる瞬間が幾度と無くあった。いや、もっとずっと前からかもしれない。今シーズン、フェラーリとマクラーレンのスパイ疑惑がF1界を大きく揺るがせたが、それ以上に不可解だったのはたびたび現われるFIAの〝横槍〟だ。

ハンガリーGPの予選での一件。あれはハミルトンのチームオーダー無視が発端となった明らかなチーム内でのいざこざであり、FIAが口出しするような問題ではない。しかも、なぜアロンソが5グリッド降格させられなければならないのか。

また、富士でのベッテルとウェバーの接触問題もグレーゾーンのままうやむやにされてしまった。兄弟チームで表彰台をふいにしてしまったレースで、レッドブルは、セーフティーカー先導中のハミルトンの危険なドライビングを批判し、審議を求めた。セーフティーカー規約には、先導中は車間距離を十分に保たなければならないという主旨があり、富士の場合はヘビーウェットの極めて視界の悪い状態だった。この規約に照らし合わせる限り、問題の対象となるのは、ハミルトンのハードブレーキングであって、ペナルティを課せられるのがベッテルなのは明らかにおかしい。ところが、ハミルトンに火の粉が飛ぶ危険があると見るや、FIAはベッテルの処分を軽くして事を収めようとしてしまった。はっきり言って興ざめする。

今、最終戦の燃料規定違反問題がくすぶっている。マクラーレンが控訴したことでリザルトがくつがえるかもしれないからだ。

昨年のミハエルVSアロンソの接近戦もFIA演出によるところが大きい。今シーズンの接戦は、まぎれもなく3人のドライバーによる素晴らしいバトルがあってこそ生まれたドラマなのだが、裏で動く政治力にドライバーもファンも翻弄され続けたシーズンでもあった。レースが終わってリザルトが確定したと思いきや、後日トラック上とは違うところでリザルトがくつがえる。「あのレースは何だったんだ…」なんて思わせないでほしい。

最後に、僕は今さら付け加えることではないが、今回のチャンピオンは間違いなくライコネンだ。彼はシーズン中、常にトラック上でその速さと強さを証明し続けてきたからだ。無駄口を叩かず、政治にもスキャンダルにも耳を貸さない。「アイスマン」のそういうところに、今シーズンすごく好感を持てた。


photo by vidan'07
by vidan_09 | 2007-10-25 19:27 | モータースポーツ